居酒屋経営

居酒屋の経営について

居酒屋経営・開業までの流れ

はじめに開業を成功させるには、あなたの燃えるような情熱が必要です。 開業したいと思う情熱と、開業してから店を繁盛させたいと思う情熱。 経営者であるあなた自身が成長したい思う情熱や、あなたと共に成長する仲間を幸せにしたいと思う情熱。 そして、お客様に食の楽しさや豊かさを感じて欲しいと思う情熱。 それらの情熱が、強いお店をつくり骨太な経営を継続させる原動力となるのです。

1. 独自のコンセプトづくりが必要不可欠

〇成功するための「継続」と「変化」という2つの力
これから開業するときは楽しみと不安のミックス状態。
それは、1号店目の開店でしか味わえない緊張感です。これが、2店舗目を開店するとなるとまた別の感覚となります。一度しか味わえない1号店目の開店を成功させるには、次のことが必要です。

①開店当日を成功させる
②2年目を成功させる
③3年目以降を「継続」させる

飲食店の廃業率は、開業後2年目以内に 50%が潰れ、3年以内に 70%が潰れ、10 年経営が続く飲食店は、わずか 10%に過ぎないと飲食業界内で一般的に言われています。
だからこそ開店前に大切なことは、開店時、そして2年目、3年目、5年目、10 年目と先のイメージを描くことです。
そのためには、次の2つがポイントとなります。

①まずは、自分はなぜ居酒屋をやると決めたのかその動機は何か?
開業の動機があなたの「志」で、継続の力、原動力となります。
②自店にお客様が来店されたら、そのお客様はどうなるのか?
そのお客様が地域にたくさん増えたなら、その地域はどうなるのか?この変化の力があなたの使命、あなたの役割です。

この2つが明確な経営者ほど、そのビジネスは大きく、広く、深いものになると感じます。
次に、独自性あるコンセプトをつくることです。
①どのお客様に、何を売りたいのか?
②そのお客様は、あなたの店に何を求めているのか?
③あなたのお店の商品はどんな独自性、特徴をもっているのか?
④その独自性をお客様は納得して買ってくれるのか?

4つの問いに応えられれば、あなたのお店は、お客様を集客できるでしょう。
でも、悩む場合は、考えを再度整理してみましょう。
「自分視点=お店視点」から「お客様視点」になることが居酒屋開業の成功のカギとなります。

2. 繁盛店づくりの原理原則を知ろう

開業成功と「継続」営業のために必須な繁盛の原理原則をまずは身につけましょう。
ここでは簡単に7つのことをお伝えします。

①一番商品™づくりの原則
一番商品™とは、一番大きな集客力を生む、自店を代表する商品=名物商品です。お客様がそれを目的に来店してくれる商品のことで、開業成功の為には、絶対に持たなければなりません。

②主力商品づくりの原則
そのお店がどの商品を主として“品揃えるか=「どんな居酒屋」であるか”を、お客様に理解いただくために必要です。いわば、「店の顔」づくりのために主力商品づくりが大切です。

③品揃えの原則
メニュー数を決める時に使います。メニュー構成の品目は、3,5,7の数字の組み合わせでつくられています。

④価格構成の原則
メニュー(フード)や、ドリンクの値段設定、そして、客単価は連動します。
客単価が決まれば、メニューの価格が決まります。メニュー、ドリンクの値段が決まれば、客単価も決まります。

⑤売上アップの原則
あなたのお店を繁盛店にするためには、売上を上げるためのコツやルールがあります。それらを整理したものを「原則」と言います。この「原則」に従えば、「継続」的に営業ができます。

⑥再来店の原則
商売の基本は、お客様の再来店化を促すしかありません。 開業して、継続的にお客様を集客する力=「集客力」は、お客様の動き、心理を知った上のお客様を集客する仕組みです。
⑦地域一番店づくりの原則
お客様の再来店の基本は「地域密着型」です。その地域中で、独自の店づくりをして、確実な売上が取れるためのコツを身につけましょう。

ただし、この原則だけでは圧倒的集客力を継続できません。
「マーケット=市場」が進む、すなわちお客様の成熟度合いが加速的に進むからです。
これが「時流」です。この時流も付け加えていかなくてはなりませんが、まずは「繁盛店づくりの原理原則」を知り、それに取り組んでください。

3. 立地選定、物件の探し方

○対象人口が十分にあること
開業の成功は、対象人口の多さがカギとなります。
物件決定の判断は、売上がとれる=その売上に必要な人口が住んでいるかかどうか。または、繁華街立地や駅前立地ならば、店頭前の通行量があるかどうかで決めます。
居酒屋の基本的な商圏は、大きく分けて2パターン。

①郊外型、住宅街の場合は、店から半径3キロメートル。(地方の場合は、5~7キロ)
②繁華街駅前、密集した住宅街の場合は、店から半径1キロメートル。
そこに、どのくらい人が住んでいるか商圏人口を調べましょう。今はインターネットで、市町村別の人口統計表を調べられます。
そして繁華街、駅前立地の場合は、店頭前通行(店の前の通過する人の数)を確認ください。これをもとに、目標売上の見込みを計算します。

○地元、あなたがその土地のことが分かる所がよい
まずは、あなたの自宅から近い距離で探しましょう。車の移動で30分圏内です。なぜなら、その地域は、あなた自身に馴染みがあるからです。地元の情報に通じていた方が、地域密着の営業ができる可能性が高くなります。
店が自宅から遠いと移動時間が長くなり、深夜となるとその行き来が大変になります。
そして、それは人を採用する場合も同じです。お店の近所に住む人の採用が第一です。歩きか自転車で来られる距離です。勤務する方も、近所がよいのです。バイクや車通勤、電車通勤となれば、移動中の安全面、そして交通機関の時間の制限もあります。

○一番になれる地域を探す
繁盛の原則に“1番になれる商圏を選ぶ”というのがあります。簡単に言えば、あなたがつくりたい店と同業種が少ないことです。
あなたが、「焼き鳥屋をしたい!」となれば、同じ商圏内に、焼き鳥屋がない(もしくは、少ない)方が、繁盛しやすくなります。

競合他店の調査は、他店よりも優れている部分を見つけて自分のお店を伸ばしていくことが目的です。競合他店の長所を取り入れることは大事ですが、ただ取り入れるだけではなく、差別化できるポイントを見つけることも重要です。

競合調査の際は、自社が抱えている課題を洗い出すことで調査結果との比較が可能となります。また、洗い出した課題から重要度の高いものを選ぶことで、効率的に調査できます。

競合他店を選ぶ際は、同じ客層が利用している店舗を選びましょう。客層が異なる店舗を調査しても有益な結果を得られないため、競合になり得る店舗を集めた上で決めるとよいでしょう。

競合他店を決めたあとは、競合他店の長所や短所、差別化できるポイントをまとめます。他店の短所を見つけることで、自店舗の強みとして他店に差をつけることが可能です。

競合調査では店舗の外観や内装、交通アクセスなど調査するポイントをあらかじめまとめておきます。どのようにして、お客様が来店したくなるような仕掛けを施しているかを調査し、自店舗で取り入れられるような部分を確認しましょう。

接客をどのように行っているかも重要なポイントです。店舗の雰囲気がよくても接客が悪ければ、お店のイメージ低下につながるため、お客様への接し方も念入りにチェックしましょう。

○客単価と立地を合わせること
客単価が高い場合、とくに気をつけましょう。たとえば、客単価5,000円のとき、それを使ってくれるお客様の多いところに出店します。繁華街や百貨店などの多くの人がいる大商圏、そして、高所得者の多い住宅立地です。

高所得者がいない立地に客単価の高い店舗を構えても、値段の高さからお客様が来店する機会が少なくなってしまいます。また、人通りの少ない場所もターゲット層が来店しないケースが発生してしまうため、できるだけ避けるべきでしょう。

自店舗の客層にマッチする立地を選ぶ基準として「家賃」「立地周辺に来る人」が挙げられます。

家賃が高い場合、その分売上を稼ぐ必要があり、店舗運営に影響を及ぼす可能性があります。想定しているターゲット層をもとに売上を算出し、どのくらい家賃の支払いに充てられるかを考えておく必要があるでしょう。

立地の周辺を歩いている人の属性を分析することも、立地を選ぶうえで重要です。居酒屋を経営する場合、会社員や大学生などが主なターゲットとなりますが、家族連れが多いエリアだと売上を見込めないといった事態になりかねません。

人通りが多いからと無闇に出店せず、ターゲット層が多く通っているエリアをリサーチして最適な立地を見つけましょう。

○間口は大きく、テナント店は角店を
物件判断の決め手は、“間口の大きさ”です。その目安は、2間(3.6メートル)以上です。繁盛店の第1条件は、店の入りやすさ=間口の大きさです。
テナント店の場合は、角店を選んでください。間口の広さと、奥行きが感じられるため、店が大きく見えるものです。
郊外型の場合は、道路から店舗が一目で見える方がよいです。奥まった物件の場合、大きな看板が必要です。

間口の大きい店舗とは、横幅が広く取れるお店であるため、お店のそばを通る人の目に留まりやすく、認知されやすいといったメリットがあります。また、外から店内を確認しやすいため、来店する際にお店の中の雰囲気を感じやすくなります。

初めて来店するお客様にとっては、怪しいお店でないかや、ほかにお客様が入っているか気になるところです。ある程度お客様が入っていれば来店のハードルが下がることから、間口の大きい店舗がおすすめです。

間口の大きい店舗を活用する際は、店内にいるお客様への配慮も忘れてはなりません。お店の外から店内の様子が見やすいと、店内にいるお客様にとっては落ち着きづらい空間となってしまいます。そのため、全面ガラス張りではなく、一部分を隠すなどの工夫も必要です。

○店舗が道路から見える
郊外型の場合は、道路から店舗が一目で見える方がよいです。
奥まった物件の場合、大きな看板が必要です。

○居抜き物件は、要注意
居抜き物件は、要注意です。飲食店撤退物件は、おすすめしません。それは、失敗した理由があるからです。もしも、どうしても開店するならば、すべて1から改装してください。

居抜き物件を利用する際は、以前物件を使用していたテナントの評判がどうだったか把握しておくことが重要です。前のテナントの評判が悪かった場合、新しくお店をオープンしても以前の評判を引きずってしまいかねません。

内装を大幅に変更することなく、コストを抑えながら出店できる点が居抜き物件のメリットです。しかし、長期的な目線で考えた場合は内装をすべてリセットし、以前の面影が残らないまったく新しい店舗にすることも検討しましょう。

○スケルトン物件のメリットとデメリット
内装をほとんど変えずに店舗を運営できる居抜き物件とは異なり、スケルトン物件は一からお店を作ることができます。壁や天井、床はもちろんのこと、オリジナリティのあるレイアウトが作成できる点もスケルトン物件の特徴です。

そのほかのメリットとして、新しい設備の導入によりメンテナンスの頻度を長くすることができます。居抜き物件は既存の設備を使用するケースが多いため、設備の状態によっては早い段階でのメンテナンスが必要となる場合もあります。

一方でデメリットとしては、開業までに必要なコストが高くなってしまう点です。ほぼ一からお店を作るため、工事費用や備品の調達に多額の費用が必要となるでしょう。

そのほかにも、退去する際は内装や設備を撤去しなければならない点もデメリットの一つです。開業時だけでなく退去時にもコストが発生するため、契約する際は退去時の内容についても確認が必要です。

○迷ったときはコンサルティングサービスを活用
よい物件が見つからない場合は、コンサルティングサービスの利用も検討しましょう。過去の豊富な出店支援実績で培ってきたノウハウや知識を活かして、最適な物件を紹介できます。

コンサルティングスタッフと共に出店戦略の立案や、立地に関するアドバイスを受けることも可能です。そのため、1人で物件を探すことに限界を感じる場合は、コンサルティングサービスは大いに役立つでしょう。

五感コンサルティンググループは、飲食店を専門とするコンサルタントがサポートする団体です。「五感刺激マーケティング」と呼ばれる人間の五感を刺激するようなマーケティング手法を活用しています。 これまで担当した飲食店で数億円規模の利益を達成したほか、上場を果たしたケースなどさまざまな実績を挙げています。飲食店の規模に関係なく課題の解決策を提案し、売上アップといった成果の実現に向けたサポートが可能です。 より詳しく学びたい方は「繁盛原則と事例を学ぶ-セミナー」にぜひご参加ください。

4. 開業に向け必要な一式・一覧表

開業前にやらなければいけないことが大変多いです。開店日はお客様に集中できるように、次の一覧表をご活用ください。

必要なもの 誰が いつまでに どこに チェック
商圏マップ          
基本コンセプト
売上見込みと店舗損益
投資金額、返済金額
融資先、収支金額のめど
店舗面積と、レイアウト案
商品コンセプトと、メニュー全体構成
開店までのスケジュール
開店先のチラシ
食材取引先
器一式
調理器具
備品一式
消耗品一式
メニューブック
(メニューたて)
開店告知ボード作成、看板
店内POP、ボード一式
レシピ表
仕込み表
シフト表
面接、採用
トレーニング、
ミーティング
ユニフォーム
ハウスルール
(店のおきて)
レジ一式
釣り銭、売上金の流れ、銀行口座
通信関係
日報、月次報告書
許可証、申請一式
①食品営業許可証申請 店舗完成の10日程前まで 保健所
①食品営業許可証申請 店舗完成の10日程前まで 保健所
②防火管理者選定届け 営業開始まで 消防署
③防火対象設備使用開始届け 使用開始7日前まで 消防署
④火を使用する設備などの設置届け 設備設置前まで 消防署
⑤深夜酒類提供飲食店営業開始届出書 営業開始の10日前まで 警察署
⑥個人事業の開廃業等届出書 開店日から 1ヶ月以内 税務署
⑦労災保険の加入手続き 雇用日の翌日から 10日以内 労働基準監督署
⑧雇用保険の加入手続き 雇用日の翌日から 10日以内 公共職業安定所
⑨社会保険の加入手続き できるだけ速やかに 社会保険事業所

A3サイズの紙に書き出して、開店準備室に貼りましょう。これを、見ながら点検・確認して、漏れのないように開店日を迎えましょう。
また、開店用発注リストも必ず作成しましょう。
それぞれ外注するのか、直接買い出しするのか、また自身で作成するのか。
リスト化し、役割分担を決めて、どれだけの数が必要かなど、事前にしっかりと準備しましょう。

各業者に過不足を確認し、アドバイスをお願いするのもいいかも知れません。

居酒屋経営は難しい?気になる成功率やリスク

開業から10年後の姿を思い描こう

○「継続」がすべて
あなたは開業することが目標ですか?それとも、開業してお店を繁盛させることですか?また、その繁盛ぶりを「継続させる」ことですか?
開業を楽しみにしているあなたにはショックな話だと思いますが、飲食店の廃業率の高さは前述したとおりです。開業2年以内に50パーセントが閉店。さらに、3年以内に70パーセントがなくなります。10年継続営業できている居酒屋は、わずかに10パーセント。となれば、90パーセントは閉店しているわけです。

とても大事なのは、開業から1年間と、その2年目です。
開業したその年は、“ご祝儀”売上です。勝負は、2年目となります。2年目があなたの店、あなた自身の力量“本来持っている力”と言えます。
だからこそ、あなたが開業からイメージする自分自身の経営設計=人生設計をしっかり立てておきましょう。

居酒屋経営にはいくらかかる?必要な資金の目安

開業資金・投資計画の立て方

○いくらまで投資してもよいのか?
投資金額の目安は、目標とする年商÷2=開業投資金額となります。
例えば毎月400万円×12ヶ月=4800万円を目標とする場合は、その2分の1の2400万円が初期投資の上限金額となります。これは3年で投資したお金を回収するという意味です。
商売の1つのめどは、3年です。3年間継続営業できれば、その先も継続できる可能性が高いのです。初期投資は極力抑えて、集客力に必要な実演演出などの1点豪華主義をおすすめします。
開店日から店は陳腐化していきます。毎年のプチ改装をしていくことが重要です。商品も日々の変化が大切ですが、店舗も同じ考え方になります。
開店資金の調達方法は、2つあります。

1つは、日本政策金融公庫の融資制度、2つめは各自治体の制度です。

『日本政策金融公庫』は、かつて『国民生活上金融公庫』とは呼ばれていました。元々は一般の金融機関から融資を受けるのが難しい人への資金を融資するところです。新規開店の場合、比較的低い金利(およそ2~3%)で融資を受けることができます。
2つめは、あなたの地元の地方自治体が、各種用意してある制度を活用しましょう。
どちらも、審査があります。そのために『事業計画書』の準備が必要です。下記を活用して準備しましょう。

●コンセプトシート(基本)

①あなたはなぜ開店したいのですか? ②どんなお客様に来てほしいですか? ③そのお客様に、どんな商品、店、サービスを提供しますか?
⑧いくら売りたいですか?いくら、 収入がほしいですか? 最後に、あなたの店のお客様がその地域に多く増えたら、その地域はど うなりますか? ④あなたの提供するものは、お客様にとって、価値はなんですか?=他店、他社にはない、独自の特徴はなんですか?
⑦どのような店づくりをしますか? お客様にとっての価値はなんですか? ⑥あなたの店は、何をメイン=主力の品揃えをしますか?その商品の独自の特徴はなんですか? ⑤一番商品はなんですか?その独自の特徴はなんですか?

各種機関からの融資の返済期間は、設備投資分は10年間、運転資金は5年間と決まっています。


大切なことは、月々の元本返済金額<税引き後利益+減価償却費>を目指すことです。これは、利益が出ていても、その利益より返済金額が大きいと資金ショート=支払いができない状態になります。「黒字なのに倒産する」とは、この状態を言います。

居酒屋の経営は儲かる?開業後の年収目安

居酒屋を開業して経営を継続するために、いったいくら売ったら、どのくらいの収入と儲け(利益)を得られるのかを知ることで、あなたの「夢」が目標となります。

自分の夢を目標にする方法

居酒屋の基本的数字を把握して、あなたの思い描いている利益と、収入をまずは計算してみましょう。
次の表は、月次損益表(簡易版)です。一般的な居酒屋のパターンです。見てみると一目瞭然です。
その利益率は10%です。 ただし、日本国内の会社の中で、利益が出ているのはその30%です。その中でも、さらに優良企業が目指すは、利益率15~20%です。
確実に売上をあげることと、利益を出す仕組みをもつことです。
その目安は、次のとおりです。
①原価率…一般的中に30~38%(商品提供に必要な食材費、ビールやワインなどのドリンク費)
②人件費率…25~30%(経営者、従業員分)
③水道光熱費率5%(水道、電気、ガス代)
④家賃費率5~7%(家賃、駐車場、倉庫)
⑤その他消耗品率5%(消耗品、備品、通信費など)
⑥交通費率2%(ガソリン、その他交通費)
⑦保険費率6%(人と車、店等の保険費)
⑧販売促進費3%(チラシ、割引金額など)
⑨減価償却費率5%(厨房機器などの固定資産=設備投資分を長期間にわたって費用配分する計算方法で5%は1つの事例。お店により異なります。)
この総経費の合計は、約90%となります。そこで、売上100%-90%=営業利益比率10%となります。
その10%から融資を受けている場合の返済、利息を支払います。
さらに、その残りの2分の1が税金です。つまり、その残りの2分の1がお店の儲けとなります。
たとえば、月商400万円の場合(1日平均売上が16万円)で、人件費25%と考えると総額100万円です。
16万円売るのに、必要人員はあなたを含めて、5人とします。その際の人時売上高を4000円とします。人事売上高とは、1人当たり1時間でいくら売上をあげるかの数値です。
ですから、100万円÷5人=20万円となります。給与は20万円で、各種保険を引いて、手取りが約16万円となります。 ここで大切なことは、人時売上高の高くとれる居酒屋をやることです。
あなたのイメージするお店、売上、人員数、あなたが欲しい給与と、その儲けを整理してみてください。
しっかり給与を取れるお店をつくろう
あなたにとって、この開業は様々な思いを実現するためのスタートです。たとえば、安定した高い給与や、定期的な休日・休暇をとり、豊かな時間を過ごしたい。また、もっと多くの人達の豊さや、幸せを実現したい、その思いは様々で深いものだと思います。
そのためには、この1店舗目の確実な成功が必要不可欠です。
月次損益計画表を作成して、あなたのイメージを数字にしてみてください。より開店が具体的になってくるはずです。

しっかり給与を取れるお店をつくろう

あなたにとって、この開業は様々な思いを実現するためのスタートです。たとえば、安定した高い給与や、定期的な 休日・休暇をとり、豊かな時間を過ごしたい。また、もっと多くの人達の豊さや、幸せを実現したい、その思いは様々 で深いものだと思います。
そのためには、この1店舗目の確実な成功が必要不可欠です。
月次損益計画表を作成して、あなたのイメージを数字にしてみてください。より開店が具体的になってくるはずです。

●月次損益計画表



また、開店資金の準備がとても大切です。計画的に毎月の貯金をしてください。
たとえば社会人1年生から、毎月3万円ずつ、10年間貯めて合計360万円です。このとき、この人はは30歳を迎えていると思います。
開業は、若くて早い方が良いと思います。発想豊かで、5 年先を見据えて、今何をすべきかと実行力があり、勢いが あるので一緒に話をしたり仕事をしていると、とても楽しく刺激になるものです。

居酒屋経営に必要な資格や届出

開店に必要な資格は2つある!

まず1つめは、『食品衛生責任者』です。
食品衛生上の管理運営にあたり、飲食店を営業するには、必ず1店舗に1人必要です。
開店のときに、保険所に「食品衛生責任者」の届け出をします。「食品衛生責任者」になるには、各地の各都道府県で行われている講習会を受けてください。受講料は、約1万円程度、通常1日です。ただし、調理師、栄養士などの免許を持っている方は自動的に取得できます。

2つめは、『防火管理者』です。
店の収容人員が30人超えの店は、「防火管理者」をおく必要があります。延床面積が300㎡(約90坪)以上の場合は、甲種防火管理者、300㎡(約90坪)未満の場合は、乙種防火管理者となります。
あなたのお店の規模に合わせて、各地の消防署に問い合わせてください。消防署で講習会を受講料3000~5000円程度で受けられます。講習期間は、通常甲種は2日、乙種は1日となります。

しっかり給与を取れるお店をつくろう

開店に必要な各届け出は?

飲食店は、以下の種類があります。

届出 対象 届け出先 届け出時期
①食品営業許可証申請 全店舗 保険所 店舗完成の10日ほど前まで
②防火管理者選定届け 収容人員が30 人以上 消防署 営業開始まで
③防火対象設備使用開始届け 建物を新たに使用し始める場合 消防署 使用開始7日前まで
④火を使用する設備などの設置届 火を使用する設備を設置する場合 消防署 設備設置前まで
⑤深夜酒類提供飲食店営業開始届出書 深夜12時以降も酒を提供する場合 警察署 営業開始の10日前まで
⑥個人事業の開廃業等届出書 個人で開業する場合 税務署 開店日から一ケ月以内
⑦労災保険の加入手続き 従業員を雇う場合 労働基準監督署 雇用日の翌日から10日以内
⑧雇用保険の加入手続き 従業員を雇う場合 公共職業安定所 雇用日の翌日から10日以内
⑨社会保険の加入手続き 法人の場合、強制加入。個人は任意 社会保険事業所 できるだけ速やかに

これをみると、事前に段取りよく進めなくてはならないと感じていただけると思います。
表の③④は、店舗づくりの際に、お世話になる設計・設備・施工の業者があなたに代わって、行ってくれる場合もあります。
会社設立に関する⑥についても、代行業務として、司法書士・行政書士といった専門のサポートを受ける方法もあり ます。
また、⑦⑧⑨は、社労士の代行業務もあります。
いずれも費用が発生するものですから、開店前にやるべきこととして、開店準備のスケジュールに落とし込みしてください。

居酒屋経営のメリット・デメリット

自分がつくった商品の良し悪しが瞬時にわかる商売

開業成功は、すべて経営者で決まります。 さて、お店を開店してあなたが最初にあじわう喜びは、開店初日の最初のお客様の存在によってです。そして、2度 目、3度目と、顔を出してくださるお客様は、本当にありがたいものとなります。

このように飲食店の経営ほど自分のつくった商品が目の前で評価され、良いも悪いも即時に分かる商売はありませ ん。人々のお腹を満腹にするだけでなく、心も豊かに楽しくさせることができる商売です。居酒屋経営の醍醐味は、 ここにあると思います。
一方、営業を続けていくと、必ずお客様からのお叱り、ご意見・ご要望をいただくときがきます。 どんなときにもあなたの心が折れないように開店前に開業の思いをノートにしたためて残しておきましょう。

「この店で働くの、楽しい!」と仲間が思ってくれるか

スタッフが楽しみながら働くためには、チームワークを重視してスタッフ同士が高め合いながら目標に向かって団結することが大切です。
目標を掲げることで楽しさややりがいだけでなく、達成感を味わうこともできるため、お店に対する愛着も強くなる効果も期待できます。

飲食店の店長は、目標を掲げた理由をスタッフにわかりやすく説明し、目標達成に向けて努力することの意義を伝えることが重要です。 また、スタッフと密なコミュニケーションを構築することも、チームワークを高めるうえで大切です。

スタッフ一人ひとりと話し合う場を設けて、定期的にスタッフの状態の把握や目標を再確認します。
また、時にはスタッフが抱える悩みにも親身になって応えることで、お互いの信頼関係の強化にもつながります。
店長やスタッフが社会のルールを守りつつ向上心を持って働くことで、スタッフがやりがいを感じられるようになるでしょう。

スタッフ一丸となって成功している店舗例

これは、神奈川県にあるイタリアン繁盛店の実例です。
このお店で働きたいと希望する人のウエイティングが出ている繁盛店です。
人の採用が難しいなか、全国的にみても珍しいことだと思います。

もともとランチとディナー営業をする店でしたが、夜営業に集中。それから3年間、売上がそれまでの2倍以上に上がっている店です。
その取り組みは、ワインとメインディッシュのおいしさ説明の取り組みでした。

はじめに、メニュー説明が5~7分間あります。スタッフがワインを6本テーブルに抱えてきます。その説明で全部飲みたくなるほどのおいしさ感が伝わってきます。
だから、思いっきり飲んでしまい、支払いもそれなりに高くなりますが、大満足して、また来たいと思います。

「どうやって皆さん、おいしさ説明を楽しそうにできるんですか?」と社長に質問しました。すると、週に1度早めに店じまいをして、スタッフ同志のまかない会をやっている」とお話くださいました。
メニューをつくり皆で食べながら、「私はこんな風に説明してるよ」と先輩たちが後輩に教えます。後輩スタッフはそれを学び、次のサービスで実際にやってみる。

すると、お客様から「ありがとう、おいしかったよ」と、誉められたりするのだそうです。
また、お客様だけではなくスタッフ同士でほめ合う場所があると、そのスタッフは伸び伸び、イキイキ楽しそうに仕事をしていると語ってくれました。仲間同士がお互いを認め合う社風は、本当に素晴らしいです。

まとめ

あなた1人の力でお店の成功はなし得ません。
どうぞ、よきご縁をもらい、仕事のパートナー・従業員・各業者の方々・尊敬できる経営者の仲間。そして、地元のお客様と一生のお付き合いができるような、地づくりを行ってください。
あなたのお店の成功を心から祈っています。

五感コンサルティンググループでは、飲食店を専門とする4人のコンサルタントが五感を刺激するようなマーケティング手法を用いて飲食店をサポートします。 4つのコンサルティングコースを用意しており、海外の飲食店を視察するセミナーへの参加など、さまざまな特典も用意している点が特徴です。

そのほかにも、メール集客システム「ダントツ」を提供しており、集客に関するサポートや実際の販促事例を配信しています。
集客に関するノウハウがなくても徹底したサポートを受けられるため、集客に悩んでいる飲食店の方は利用を検討してみましょう。

監修

株式会社五感コンサルティンググループ
五感刺激マーケティング®コンサルタント 高木雅致

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